TFCC損傷とは?
TFCC損傷とは手首の小指側に痛みが出る代表的な症状です。
主に手を地面について加重したり、拳を強く握るとなどした時に小指側の手首に痛みが生じます。
転んだ時に手をついた際に損傷したり、ラケットスポーツや剣道など、何かを握って振り回すなどの反復動作でも損傷することが多くあります。
TFCCは別名『三角繊維軟骨複合体』といいます。
・青い丸が付いている部分がTFCC(三角繊維軟骨複合体)になります。
手首の小指側に①尺骨三角骨靭帯②尺骨月状骨靭帯③掌側橈尺靭帯④背側橈尺靭帯という4つの靭帯が手首の小指側にある関節円板を取り囲むように付いています。
これらを複合的によんでTFCC(三角繊維軟骨複合体)といいます。
TFCC(三角繊維軟骨複合体)はレントゲンに写らないためMRIでの診断を強くオススメします。
TFCC損傷の注意点は、例えそこ(TFCC,三角繊維軟骨複合体)に異常があったとしても、はたしてその異常が今起こっている痛みと関係があるのか考えてみると、実は関係が無い可能性があります。
手首を構成している骨格筋や靭帯に形成されたトリガーポイントが原因で、手首の小指側に痛みが出ていることが多くあります。
症例 TFCC損傷 20代男性
主訴
手首の痛み。
手をついて体重をかけたり、拳を強く握ると痛む。
腕立て伏せの体制が辛く、腕立て伏せができない。
病院でTFCC損傷と診断され、治すには手術しかないと言われ手術せずに治したいため来院されました。
視診・触診
特に視診・触診には異常はありませんでした。
手関節の背屈、尺屈時及び、拳を強く握ると痛みがありました。
治療
尺側手根伸筋、小指伸筋、小指外転筋に対するトリガーポイント鍼治療を施術しました。
1回目、治療後痛みはまだあるが、痛みの質が鋭い痛みから鈍い痛みに変化した。
2〜4回目、痛みが10→5になる。拳を強く握った時の痛みが無くなる。
5〜7回目、痛みが5→2になる。日常生活ではほとんど気にならないが、腕立て伏せの体制をとると若干痛む。
9回目、ほぼ痛みがなくなる。
10回目、痛みが完全になくなり完治する。
TFCC損傷は鍼治療で改善する。
TFCC損傷は難治性の手首の痛みに分類され、病院で手術を勧められるケースが多いです。
しかし、手術をしたから治るというわけではなく、術後に痛みが取りきれなかったり、手首の可動域に制限が生じてしまうことも多々あります。
はじめにお話ししましたが、MRIや病院でTFCC損傷が確認され診断されたとしても、筋肉や腱、靭帯に形成されたトリガーポイントを治療することで症状は改善します。
TFCCが損傷して痛みを出すことはもちろんあります。ですが、現状起こっている痛みの全ての原因がTFCCが原因とは限りません。
そもそも、TFCC損傷になるくらい手首に負荷がかかれば、TFCCが損傷する前に手首を主に構成している筋肉、腱、靭帯が損傷してもおかしくありません。
病院でMRIの画像をみながら「TFCC損傷ですね」と言われると、全ての小指側の手首に生じる痛みをそれでまとめてしまう傾向があります。
しかし、画像診断が全てではありません。
明らかにTFCCが損傷していても、損傷部位が痛みを発生させている原因で無いことが多いのが TFCC損傷の特徴です。
手首は非常に細かな筋肉や腱、靭帯が密集しています。
手首を治療するには細かな筋肉、腱、靭帯を触診し、筋肉、腱、靭帯を一つ一つ鍼で刺し分ける技術が必要になりますが、的確に治療を行えば改善する症状です。
手首の痛みやTFCC損傷で手術しか無いと言われた方はぜひ一度ご相談ください。
川越の痛み・痺れ治療専門 トリガーポイント鍼灸療法 すがぬま鍼灸院