耳閉感・難聴 【40代女性】

中耳炎後の耳閉感・難聴に悩んでいる患者様のケース

症例報告:中耳炎後の耳閉感・難聴の改善例(40代女性)

症例概要

患者属性:40代女性
主訴:左耳の閉塞感、自分の声が反響して気持ち悪い、自覚なしだが聴力検査で高音が聞き取れない
背景:年末に中耳炎を発症。ステロイド治療は副作用の懸念から希望せず。過去に頭痛とめまいの既往あり。
西洋医学的診断と鍼治療の立場

通常はステロイド、抗生剤、ビタミン剤などが用いられますが、副作用回避のご希望から鍼治療を中心に選択されました。当院では西洋医学との併用も提案しますが、本症例ではご希望に沿い、鍼治療主体で対応しました。

視診・触診所見

頚部の筋肉が著しく緊張している
後頭部周辺の皮膚に色素沈着あり
左後頚部に膨隆を確認
頚部〜背部にかけて浮腫あり
治療方針

症状の原因として「頚部・背部の筋緊張および循環障害」を重視し、以下の筋群に対する鍼治療と背部の浮腫除去を行いました:

頭半棘筋
頚板状筋(後頭下筋群含む)
頭最長筋
肩甲挙筋
胸鎖乳突筋
治療経過と回数

回数 経過
1回目 耳閉感の軽減、自声の反響軽減を自覚
2回目 置鍼中、「今までにないほどクリアに音が聴こえる」と自覚
3回目 聴力検査で高音が回復。耳閉感・反響ともに消失し、完治と判断
メンテナンス 頚こりを感じるタイミングで軽微な耳閉感が出るため、定期的に予防的鍼治療を継続中
成果まとめ

早期介入による速やかな改善:発症〜治療開始までが短く、3回以内で完治。
頚部治療が耳症状に有効:耳だけでなく頚肩部の循環改善が症状改善に大きく貢献。
予防的メンテナンスの重要性:定期ケアにより再発防止を図る。
考察

本症例は、中耳炎後の耳閉感・難聴が頚肩部の筋緊張および浮腫などによって引き起こされていた可能性が高く、鍼治療による局所改善・循環改善アプローチが極めて有効でした。ステロイドを避けたいという患者様のご希望にも応え、短期間での改善が得られたことが特筆されます。

当院のスタンス

西洋医学との併用も可能:必要に応じて耳鼻咽喉科での治療と並行することもご案内しています。
早期介入が鍵:症状が出てから早めの対応が改善に直結します。
頚部・背部の調整が耳症状に有効:全身バランスを整えることで、耳の症状も改善。
予防的メンテナンスの重要性:定期的なケアで再発防止と健康維持を促します。