鍼灸治療について②

鍼灸で改善される症状について書いていきます。

鍼灸治療は大きく分けると、東洋医学的な治療と西洋医学よりの治療の二つに分かれます。

当院としては、西洋医学よりな治療を得意としていますが、今回は鍼灸のルーツでもある東洋医学よりな治療でのアプローチの説明をしていきます。

鍼灸で改善される症状 (東洋医学的な治療)

首肩こり・腰痛への効果

首肩こり・腰痛は、姿勢や生活習慣、冷え、ストレス、内臓の不調などによって筋肉が緊張して血行が悪くなることで起こります。

首の付け根の「天柱(てんちゅう)」、「風池(ふうち)」、首から肩にかけての「肩井(けんせい)」、「天髎(てんりょう)」、手にある「合谷(ごうこく)」、腕にある「手三里(てさんり)」、「列缺(れっけつ)」などのツボを刺激すると良いです。

腰痛の場合は、腰にある「腎兪(じんゆ)」、「志室(ししつ)」が腰痛の特効穴と呼ばれ、足にある「崑崙(こんろん)」、「委陽(いよう)」など刺激することで筋肉が緩みやすくなり、臀部にある「環跳(かんちょう)」を刺激することで、股関節周りの血液循環を促します。

自律神経失調症への治療

疲れやストレスなどによって自律神経のバランスが崩れると、頭痛、目眩(めまい)、吐き気、イライラ、動悸など、いわゆる「不定愁訴」と呼ばれる症状が出現してきます。

腕にある「内関(ないかん)」、「郄門(げきもん)」というツボを刺激することで自律神経のバランスを整え、低下している機能を高める作用が期待できます。

 

眼精疲労への効果

目がショボショボする、ピントが合わない、かすむ、目の奥が痛い、充血するなどの症状がみられる眼精疲労は、「毛様体筋」という目のピントを合わせる筋肉の疲労が原因の一つとされています。

酷くなると頭痛、肩こりに留まらず、めまい、吐き気などの自律神経系の症状も起こり始めます。

改善のためには、目の周りにある「清明(せいめい)」、「陽白(ようはく)」「太陽(たいよう)」や、耳の上にある「角孫(かくそん)」などのツボを刺激したり、温めると効果的とされています。

 

不妊治療における鍼灸の効果

不妊症には様々な原因が考えられますが、東洋医学的には冷え、自律神経の不調、骨盤の歪みなどが原因とされていると考えられてます。

鍼灸によるアプローチでは、腹部や腰、足を温めることで血液循環を促し、子宮の状態を妊娠しやすい状態に整えます。

また、自律神経のバランスを整えてホルモン分泌や排卵機能を整えたり、骨盤周りの筋肉を緩めることで骨盤の歪みを

整えたりすることもあります。

子宮の働きを整える働きの足にあるツボ「三陰交(さんいんこう)」、冷えを改善する「陰交(いんこう)」、生殖機能と関わりの深い「腎」の働きを高める「腎兪(じんゆ)」などのツボに施術していきます。

 

まとめ

東洋医学的な治療の場合ですと経穴(ツボ)を使用していく治療がほとんどです。

しかし、東洋医学的な鍼灸治療は流派が変わると使用する経穴、考え方が大きく変わっていきます。

例えば、A流派、B流派があって腰痛の治療一つにしても、それぞれ全く逆のことを言っていたりします。

どちらが正解、不正解というのはありません。

東洋医学は歴史の深い治療法だけに様々な考え方があり、人間それぞれの時期に、それぞれの体調、体質、性格に合わせて取り入れることができるため、多くの症状をサポートできる懐の深い治療法になります。

 

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