寒くなると腰痛が増えてきます。
腰痛嫌ですよね。
さらに年末年始ですと、大掃除や新年の挨拶まわりなどで普段よりも活動する機会が多く、疲労が蓄積しやすくなり急性腰痛(ギックリ腰)になる方が増加します。
腰痛は一般的に大きく分けて3種類あります。
①筋・筋膜性腰痛
②椎間板ヘルニアによる腰痛
③内臓性の腰痛
今回は腰痛の中でも割合の多い筋・筋膜性腰痛について書いていきます。
筋・筋膜性腰痛とは
筋肉と筋膜が原因となる腰痛の総称になります。
慢性腰痛や急性腰痛もこれに分類され、
俗称ギックリ腰とも呼ばれます。
腰痛は筋肉が由来する事が多く、筋・筋膜性腰痛が腰痛起因の約8割を占めていると言われています。
筋・筋膜性腰痛の特徴
寒くなると痛む、疲れがたまると痛む、寝起きで痛む、特定の動きで痛む。
痛みの他に下肢に痺れを伴うことも多い。
また重度の場合、神経が由来しない下肢の感覚鈍麻や筋力低下が見られることも多く、
椎間板ヘルニアと間違えられるケースもある。
筋・筋膜性腰痛の原因となりやすい筋肉
①腰最長筋・腰長肋筋
背骨を中心に内側から腰最長筋、腰長肋筋の順になります。
腰を反らす、横に曲げる、捻るなどの動きに関与してきます。
この二つの筋肉は脊柱起立筋と呼ばれ、背骨を保持するための重要な筋肉になります。
その為、大きな負担がかかりやすく、腰痛の原因となるトリガーポイントが形成されやすい筋肉になります。
緑色の線が引いてある部分がトリガーポイントが構成されやすい部位になります。
腰最長筋・腰長肋筋らにトリガーポイントが構成されると、腰を伸ばすと痛む、腰を伸ばせない、捻ると痛むなどの腰痛に関わって来ることが多い筋肉になります。
臨床的に最も治療する事の多い筋肉になります。
慢性腰痛から急性腰痛(ギックリ腰)まで必ずと言っていいほどトリガーポイント化し、腰痛に関わってきます。
腰の筋肉の中では割と表層にある筋肉になるので、マッサージなどでのアプローチでも可能になります。
ですが、痛みの根源になるトリガーポイントは筋肉の深い部分や骨際に形成されることが多いので、マッサージだけではトリガーポイントを処理しきれず、その場しのぎになってしまうケースが多くなります。
②多裂筋
多裂筋は頸から腰まで分布します。
小さな筋肉ですが、脊柱(背骨)の安定化には重要な役割を持っています。
筋肉の作用としては腰を伸ばす、捻るなどの動きに関与してきます。
多裂筋は脊柱(背骨)のかなり深い部分に付着し、腰に力が掛かるような動きでは必ず使う筋肉になります。
長年腰痛で悩まされている方や、ギックリ腰の大多数がトリガーポイント化していることが多い筋肉です。
緑色の✖️印がトリガーポイントが形成されやすい部位になり、腰の筋肉の最深部かつ背骨際になるので、鍼治療でないとアプローチし辛い部位です。
多裂筋がトリガーポイント化すると、腰を伸ばすことが痛みで困難になり前屈みの姿勢になります。
また、咳・くしゃみで痛む、仰向けで寝ると痛むなど、体勢も変えられないような激しい痛みが起こることが多い筋肉になります。
③腰方形筋
腰方形筋は12番目の肋骨から腸骨に付着しています。
筋肉の作用としては、腰を伸ばす、側屈(横に曲げる)の動作に関与してきます。
腰方形筋がトリガーポイント化すると、寝返りなどの動きが困難になり、患側を上にして側臥位で寝ることが多くなる。
さらに痛みを回避する為に患側を伸ばすような姿勢、側弯が見られることもあります。
腰方形筋は呼吸補助筋(特に呼気)でもあるため、呼吸時に腰痛が生じる場合もあります。
また、腰方形筋トリガーポイントにより肋骨に沿って痛みが出ることがあり、肋間神経痛と間違われる場合があります。
腰方形筋は臨床的にはトリガーポイント化するケースは少ないです。
上記で説明した筋肉に比べて激しい痛みが伴いませんが、長年シクシクと痛むなどの、慢性腰痛に多く見られます。
側弯や呼吸時に痛む、骨盤周辺が痛む、肋骨に沿って痛みが走るなどの場合は腰方形筋がトリガーポイント化している疑いがあります。
まとめ
腰痛だけでもこれだけ種類があります。
今回説明したものは腰痛の中でも比較的発生頻度が高い筋肉を選択しました。
細かく分類するとまだまだあります。
人間100人いたら100通りになるので、全く同じ症状とはいきませんが筋肉により痛みや症状のパターンがあります。
そのパターンを把握して、的確に筋肉を鑑別し治療すれば腰痛が治るまでの期間はぐっと短くなります。
腰痛は人間が抱える二足歩行の代償だとも言われています。
ですが、技術と治療が進化した今、腰痛は治る症状です。
その中でもトリガーポイント鍼灸治療は腰痛に対して、かなりの効果を出せる治療法だと言えます。
長年腰痛で苦しんでいる方、どこに行っても治らなかった方、お医者さんに治らないと言われた方
一度ご相談いただければと思います。