腰
ギックリ腰【30代女性】
歩行中に突然「ピキッ」と腰に痛みが走る
症例報告:30代女性 ギックリ腰
来院までの経緯
歩行中に突然「ピキッ」と腰に痛みが走り、その後徐々に痛みが強まり、歩行困難となりました。
普段は腰痛の自覚はありませんでしたが、2年前にも同じような症状を経験。その際は整形外科でレントゲンを撮ったものの「異常なし」と診断されました。
「一刻も早く改善したい」との思いで、今回は受傷当日にご来院いただきました。
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視診・触診の所見
• 足のしびれはなし
• 前屈・後屈・回旋が痛みにより困難
• 強い筋緊張はまだ出ていない
• 触診にて右腰部の多裂筋・最長筋に認知覚を確認
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治療経過
• 1回目:認知覚のある多裂筋・最長筋を中心に鍼治療。痛みは「10→3」へ軽減し、歩行が楽になる。
• 2回目:痛み「3→1」に改善。腰痛はほぼ消失するが、右臀部に詰まるような痛みが出現。
• 3回目:腰部の痛みは完全に消失。中臀筋を治療し、臀部の痛みは「10→2」へ軽減。
• 4回目:中臀筋への治療を継続し、臀部の痛みも消失。完治。
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考察・まとめ
ギックリ腰のような急性腰痛は、早期治療が非常に重要です。
受傷から治療までの期間が長くなると、症状は慢性化しやすくなり、「痛みや重だるさが当たり前」の状態(潜在性トリガーポイント)になってしまいます。そこから日常のちょっとした動作で再び「グキッ」と痛める(活動性トリガーポイント)悪循環に陥ることも少なくありません。
時間が経つことで痛みが落ち着くこともありますが、それは「治った」のではなく「一時的におさまっているだけ」の状態です。放置してしまうとギックリ腰は繰り返しやすくなります。
急性期の段階でしっかり治療し、トリガーポイントを処理しておくことが、再発予防につながります。
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