耳
突発性難聴【30代女性】
突発性難聴に悩んでいる患者様のケース
突発性難聴とはある日突然聴力が低下する症状です。
完全に聴力が失われるケースや、明らかに片方の耳の聞こえが悪いなど症状にばらつきがあります。
ある日突然聴力が低下する訳ですから、当然不安になり耳鼻咽喉科に受診します。
『突発性難聴』という診断を受け治療を開始します。状況によっては入院して治療される方もいます。
西洋医学的には『耳内部の突発的な原因不明の炎症』と考えられ、ステロイド治療を行います。
ステロイド治療にて症状が改善されない場合はビタミン剤などを処方されることが多いです。
しかし、ビタミン剤を処方される頃には時間が経過していることが多く、当院でも受診される頃には半年〜一年と時間が経過していることが多いです。
突発性難聴に対して鍼師としてアドバイス出来る事は『西洋医学的な治療を受けながらでも良いので、並行して鍼治療を受けて頂きたい』ということです。
主訴
ある日突然左耳の聴力が低下、人が沢山いるような騒音が多いと音が反響してしまって聞こえづらい。
発症後すぐにステロイド治療を開始したが変化がなく、予後を良くするために来院。
視診・触診
皮膚の異常や浮腫は診られないが後頭骨、乳様突起周辺に付着する頸部の筋緊張が目立ち、特に左側の筋緊張が強く筋肉が膨隆している。
治療
頸部、後頭骨周辺に付着する頭半棘筋、後頭下筋群、胸鎖乳突筋、頭最長筋、肩甲挙筋を中心に鍼治療をしました。
1〜2回目 聴力に変化はないが、頭が軽くなっていく様な感じがする。
3回目 2回目の治療後数日経つと聴力が回復したが、耳閉感が出てきた。
4回目 治療後、耳閉感が減少して気にならない時が出てきた。
5回目 耳閉感も無くなり、聴力も問題なく完治。
まとめ
今回は症状の発症後2週間程でご来院いただけましたため、早期改善ができました。
早期改善例の目安てしては1〜5回。
中期改善例では10〜20回程度。
長期改善例では50回目位から聞こえが良くなり始めて60回目で症状が無くなった例もあります。
いずれにしても早期の治療開始が早期改善してきた例の100%を占めます。
中期・長期改善例は発症してから治療開始するまでの罹患日間に比例して長くなる傾向があります。
しかし、治る可能性を考えると鍼治療という選択の価値は十二分にあると思います。