首こりがもたらす身体への影響③

首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)はどうすれば改善するか?

首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)の症状が進行している人は、頸部の筋肉に対して電気治療や手技療法・鍼治療を行うのがベストです。
電気治療ではなかなか改善しないケースが多いため、こりに対して的確に手技療法や鍼治療を行うことが必要です。
頸部に形成されたこりは寒冷刺激や精神的なストレスによっても悪化します。
首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)を根本的に改善させるには『こりに対してピンポイントかつ、直接アプローチ』していかなければなりません。
こりに対してピンポイントにアプローチするには、指よりはるかに細い鍼治療を行うということが、首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)の早期改善方法だと言えます。

首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)改善するためには

まずは頸の筋肉構造と首こりについて

 

 

 

 

 

 

頸には伸展、屈曲、回旋、側屈など様々な動きがあります。
伸展しながら回旋、屈曲しながら側屈や回旋したりと、様々な動きの組み合わせがあります。
細かい動きを可能にするために、頸には細かい筋肉が沢山付いています。
僧帽筋・頭半棘筋・頚半棘筋・頭板状筋・頚板状筋・大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋・頭最長筋・胸鎖乳突筋・肩甲挙筋・多裂筋・回旋筋….など、頸部の後ろと横についている筋肉だけでこれだけの種類があり、これらの筋肉には一つ一つに様々な作用があります。
複数の筋肉を使用して、初めて頸の細かい動きが成り立ちます。
複数の筋肉を使用することで、筋肉の連結部には摩擦が生じてしまいす。
摩擦が生じることで筋肉は微細に損傷し、硬くなり、こりが形成されます。
そうして形成されたこりが各種症状を引き起こします。
単純に『首こり』と大きな括りでまとめてしまいがちですが、『首こり』と大きな括りでまとめてしまうと症状の改善は難しくなります。
僧帽筋・頭半棘筋・頚半棘筋・頭板状筋・頚板状筋・大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋・頭最長筋・胸鎖乳突筋・肩甲挙筋・多裂筋・回旋筋….など、頸の筋肉は多数あり、これらは頸の筋肉のほんの一部でしかありません。
この多数ある頸の筋肉の中、どの筋肉にこりが形成されるかで、それぞれ出現してくる症状は変わってきます。

『首こり』というと、これらを大きく括ってしまうことになりますが、○○筋のこりと××筋のこりとでは出現してくる症状が変わってくるのです。
例えば、自宅でテレビの位置が左側にあり、少し左を向きながらテレビを見るとします。その場合、首は左に回旋することになり、首を左回旋させる筋肉を多用し、こり始めます。工場勤務や、建築現場で上を向く機会が多ければ、頸部を伸展させることが多くなり、頸部を伸展させる筋肉を多用し、こり始めます。

『首の筋肉がこっている』といっても、頸部の動かし方が違えば、使う筋肉も違い、こる筋肉と場所も違ってくるので、出現する症状も変わってきます。
つまり筋肉一つ一つを細く診て、症状の原因となる筋肉を鑑別して治療することが首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)改善への近道と言えます。

どんな治療が効果的か?

 

 

 

 

 

 

 

首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)は頸の筋肉一つ一つ、こりが形成された時の症状が変わってくるので、症状や触察から原因となる筋肉を探し出し、こりが形成された筋肉、部位に対して的確にアプローチしていかなければなりません。
実際のところ、首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)の原因になるこりは、頸の筋肉の深層部や骨側に形成されることが多く、指や電気ではアプローチするのは難しくなります。
筋肉は厚さ10センチを超える部位もあり、ただ単に首のマッサージをする、首に電気治療器をかける…などでは意味がありません。
筋肉の深層部や骨側など、指や電気治療器が物理的に届かない部位にピンポイントにアプローチすることが可能な治療法が『鍼治療』です。
鍼治療は身体の負担を最小限に、直接的かつ物理的刺激を加えることができます。
指よりもはるかに細くなるので周囲の筋肉に負担なく、こりが形成されたポイントへ刺激を加えることができます。
周囲の筋肉に負荷が多いマッサージに比べ、ピンポイントに刺激を加えられる鍼治療は身体に優しい治療です。
もみ返しや、ドーゼオーバーになりやすい頸の筋肉の様なデリケートな筋肉に対して、最適な治療方法だと言えます。
ただ、鍼治療であれば何でも良いというわけでなく、形成されたこりを治療するには、骨格筋の解剖学的知識はもちろんのこと、こりができやすい部位の知識や、こりを触ることができる触察力、そしてそのこりに対して、的確に鍼を刺すことができる技術が必要になります。

 

まとめ

首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)だと気付いた時には症状が大分進行してしまっていることが多いです。
一日でも早く治療を始めることが、早期改善への近道になります。
しかし、早期治癒を望み焦って治療を行うと刺激量が過多となり、だるさなどが出る可能性があります。
鍼治療の刺激量は人間一人一人違い、その日の体調や症状によっても変わってきます。
身体の状態や体質などに合わせて、臨機応変に刺激量をコントロールして施術するのがベストです。
また、どれくらい継続して治療すれば良いかと数多く質問をいただきます。
首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)は首のこりが原因となり各種症状を引き起こします、症状の数が少なければ早く改善しますし、多ければ時間がかかります。
また、どれくらいの期間症状を抱えていたかによっても変わってきます。
長年のこりによる症状でしたら、やはり改善までに時間はかかります。比較的、日が浅いこりによる症状でしたら、早く改善します。
とはいえ、まさか自分の症状が『首こり』によるものだと気づくことが少ないのが現状です。
『首が痛い』という症状があれば、首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)と気づく方も多いと思いますが、痛みの耐性が強い方や、仕事や育児などが忙しい方などは、こりを感じていない方が多いです。
『こり』は身体の不調のサインであり、こりを感じれていない方はある日突然、一気に症状が出現して苦しまれる方が多くいます。
大半の方が『首こり』が体調不良の原因だとは考えません。
こりをすでに感じている方は、体調不良の原因は首こり可能性があると認知する。こりや体調不良をまだ感じていない方は、もしかしたら首がこっているのかもしれないと、自分の体を気にしてあげることが、首こり病(頸性神経筋症候群:CNMS)の早期発見のポイントになります。

 

川越の痛み・痺れ治療専門 トリガーポイント鍼灸療法 すがぬま鍼灸院

 

 

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