頭部

長年の頭痛【50代女性】

長年の頭痛に悩まされ、酷い時は眠れない

長年頭痛があり薬を飲んでしのいでいたが、最近は薬が効かなくなってきた。
頭痛だけでなく、吐き気、めまい、不眠などの不定愁訴まで出てきた。

など、頭痛は治療しなければ悪化することが多い症状です。

頭痛だけでも心配なのに、吐き気やめまいまで発症すると脳に異常があるのではないかと思い、脳神経外科などに受診された経験があるというお話をよく聞きます。

ですが、 CTやMRIで検査しても異常が無いことがほとんどです。

原因不明で片付けられてしまい、より強い鎮痛剤を処方されるケースや、心因性と診断されて、心療内科の受診を勧められるケースもあります。

それで治ればいいですが、どこで治療すればいいのかもわからず、治らなくて頭痛に悩まされ続けている方が多いのが現状です。

頭痛の大半の原因は、後頭骨付近にトリガーポイントが形成されることからの痛みです。

まさか筋肉が頭痛を引き起こしているかなんて思いもしませんが、頭痛の8〜9割の原因を占めているのは筋肉が原因と言っても過言ではありません。

・主訴
頭痛。

長年頭痛があり、痛み止めを毎日服用してなんとかしのいできたが、最近薬を飲んでも効かなくなってきた。

寝起きで頭痛が酷く、疲労が溜まってくると痛みが増強する。

痛みが酷い時は眠れない。

・視診・触診
視診では皮膚緊張が強く、服とのスレによる頸部から背部の肌のテカりが多く見られ、交感神経緊張状態。

触診では頸部の筋緊張が強く、触診の段階で痛みが出る。

・治療
後頭骨付近の筋肉に形成されたトリガーポイントに対して、トリガーポイント鍼治療を施術。

①頭半棘筋、後頭部付着部付近。

②小後頭直筋の後頭骨付着部付近

③大後頭直筋の後頭骨付着部付近

上記3つの筋肉を中心に施術しました。

1回目:施術後重だるさがある。

2回目:重だるさはあるが痛みのレベルが下がる。10→7

3回目:重だるさがなくなり、痛みが半分になる。10→5

4回目:薬を飲まなくても大丈夫な日が出てきた。

5回目:1週間薬なしで生活できる週が出てきた。

ここからは回数を重ねる毎に痛みが減り、最終的には薬を服用しなくても済むようになり、症状は消失しました。

・考察
痛みの歴史が長ければ長いほど症状の消失は時間がかかります。

痛み止めは痛みを抑えるだけであって治療ではありません。

痛み止めの効果を上回る痛みに対しては効き目が無いため、次々に強い痛み止めを服用する結果になってしまいます。

今回の様な触診の段階で強い痛みがあるケースにはマッサージなどは有効ではありません。

マッサージの場合ですと、どうしてもトリガーポイントを触る面積が増えてしまい、余計な痛みを与えてしまいます。

また、筋緊張が強い状態で無理に圧迫刺激を加えると、揉み返しの原因になります。

鍼の場合ですと、ピンポインにトリガーポイントに刺激を加えることができるので、身体の負担が少なくなります。

頸部の筋肉の様な細かい筋肉、深層に付着する筋肉に対しては、鍼でないと刺激を加えることができません。

大・小後頭直筋など、頸部の深層にある筋肉に対してアプローチできるかで頭痛治療の効果は大きく変わってきます。