首・肩
【30代男性】一日中続くめまい。 不安や疲労が重なった際に出現する動悸・息苦しさ。
【30代男性】一日中続くめまい。 不安や疲労が重なった際に出現する動悸・息苦しさ。
30代男性/めまい・動悸・息苦しさ
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主訴
一日中続くめまい。
不安が高まったり疲労が溜まると起こる動悸・息苦しさ。
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問診
約1年前、通勤時の満員電車を降りた直後に突然強い動悸が出現。
それを境に、一日中ふわふわするめまいに悩まされるようになった。
症状が強い時期には、外出すら困難な日もあった。
現在はピーク時より落ち着いてきているものの、
人混みや環境刺激が加わると動悸・息切れが再燃する。
総合病院で
・血液検査
・肺CT
・眼科検査
を受けるも「異常なし」。
内科では「自律神経でしょう」と言われ、心療内科では不安神経症と診断。
薬は処方されたが、「できれば飲まずに改善したい」という希望が強かった。
「自律神経」「筋肉」「トリガーポイント」について調べる中で当院を見つけ来院。
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視診・触診
まず、首〜背中にかけて浮腫が目立つ状態。
特に
• 頭半棘筋停止部の皮膚湿疹
• 胸鎖乳突筋の過剰緊張
が顕著。
胸鎖乳突筋への軽い圧刺激で
めまい感・息苦しさが再現。
筋肉と自律神経の連動が強く乱れている典型例で、
交感神経過緊張のパターンと判断した。
治療部位
1. 頭半棘筋
2. 胸鎖乳突筋(最重点)
3. 後頭下筋群
とくに胸鎖乳突筋は、めまい・咽頭の違和感・動悸など多彩な症状を引き起こすため、最も丁寧に処置した。
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経過
●1回目
10 → 7
施術中から深いリラックス反応が入り、鍼の響きを心地よく感じた様子。
●3回目
7 → 3
めまい・動悸の頻度が激減。
「疲れた時にわずかに出る程度」に安定してきた。
●5回目
3 → 0
めまい・動悸ともに消失。
人混みに入った際の不安感もほぼなし。
まとめ
胸鎖乳突筋は「トリガーポイントの宝庫」であり、自律神経症状の引き金になる
胸鎖乳突筋は、耳の後ろの乳様突起から胸骨・鎖骨につく首の主要筋肉。
ここにトリガーポイントが形成されると、
EBM(科学的根拠)だけでは説明がつかないような多彩な症状を引き起こす。
たとえば、
• 頭痛
• 副鼻腔炎様症状
• 耳鳴り・聴覚過敏
• 突発性難聴
• ヒステリー球
• 動悸・息苦しさ
• めまい
• パニック様症状
• 慢性疲労
• 眼圧亢進
医療機関では検査に異常がなければ
「自律神経」「不安症」「ストレス」
という言葉で整理されてしまう。
しかし、
筋肉の状態を精査すると“症状が再現するポイント”が必ず存在する。
患者さま自身が
「ここを押すとめまいがする」
「ここが緩むと呼吸が楽になる」
と体で理解できる瞬間が、改善への大きな一歩になる。
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病名よりも“原因”を見る時代へ
病院で診断名がついたとしても、
それが「本当の原因」ではないことは多い。
胸鎖乳突筋トリガーの存在に気づくことで、
長年の不調への向き合い方が大きく変わる。