首・肩

原因不明の微熱・発熱・倦怠感【10代女性】

原因不明の微熱・発熱・倦怠感

来院までの経過

コロナに感染し完治した後から、なんだか調子が悪い状態が続いていました。
疲れやすく、怠さがあり、疲れがひどくなると微熱が出ます。
頭痛・吐き気・めまいがある時もあり、横になって休むと回復しますが、ひどい時は2~3日寝込まないと熱が引きません。
血液検査など様々な検査を受けましたが、特に異常は見つかりませんでした。
学校に行っても午前中で調子が悪くなり、早退を繰り返しているとのことでした。
来年に受験を控えており、原因不明で治療方法も思い付かないため、なんとかしたいという思いでご来院いただきました。

視診・触診
• ストレートネック傾向
• 交感神経緊張による皮脂過多・発疹
• 頸部の浮腫

診断

頸部筋肉の環境悪化による**頚性筋症候群(CNMS)**と判断しました。
頸部筋肉の緊張から起こる浮腫が自律神経の働きを乱し、発熱・微熱の症状につながっていると考えました。

治療方針

頸部筋肉の緊張によって起こる交感神経優位の体質を改善するため、頸部の筋肉に形成されたトリガーポイントを処理し、副交感神経の活性化を促す鍼治療を行いました。

治療経過

短期集中的に治療を行うことにしました。
• 1回目:なんとなく前より調子が良い気がする。頭痛の頻度が減少。熱は相変わらず出る。
• 2回目:治療後3日間、微熱・発熱が出なかった。
• 3回目:発熱することなくさらに3日間過ごせ、久しぶりに学校を1日通して行くことができた。
• 4回目:1週間発熱することなく学校に通えた。頭痛はなくなったが倦怠感はまだ残る。
• 5回目:微熱・発熱は全くなく、倦怠感も消失。
その後は学校にも問題なく通えるようになったとご連絡をいただきました。



微熱・発熱・体温調節障害について

原因不明の発熱や続く微熱、平熱が異常に低いなどの症状を「体温調節障害」といいます。
このような症状の多くは、実は首こりが原因となっていることがあります。

一般的な風邪では関節痛、発熱、悪寒、蕁麻疹などの症状が見られます。
これらは風邪によって引き起こされる自律神経の異常によるものです。
ウイルスが原因であれば薬を飲んで安静にしていれば治りますが、首こりが原因で起こる自律神経の異常では薬を飲んでも改善せず、首こりの治療が必要になります。

実際のところ、首こりが原因の体温調節障害は非常に多く見られます。
「まさか首こりが原因で発熱・微熱・低体温の症状が出るなんて」と思われるかもしれませんが、今回の症例も頚性神経筋症候群の一部として現れた症状でした。



頚性神経筋症候群(CNMS)チェック項目

以下の項目に当てはまる方は、一度鍼治療をご検討ください。
1. 頭が痛い、頭が重い
2. 首が痛い、首がこる
3. 肩が張る、肩がこる
4. かぜをひきやすい
5. めまいやふらつきがある
6. 振り向いたときや歩行中に不安定感がある
7. 吐き気がある
8. 夜、寝つきが悪い・途中で目覚める
9. 血圧が不安定
10. 温かい場所に長時間いられない
11. 異常に汗をかく
12. 静かにしていても心臓がドキドキする・動悸がある
13. 目が見えにくい、ぼやける
14. 目が疲れる、目を開けていられない
15. まぶしい、目の奥が痛い
16. 目が乾燥する、涙が出やすい
17. 唾液が出やすい、出過ぎる
18. 微熱が出る
19. 胃腸の調子が悪い、腹部膨満感がある
20. だるくて横になりたくなる
21. 疲れやすい、全身に倦怠感がある
22. やる気が出ない
23. 天気が悪い日やその前日は症状が強い
24. 気分が落ち込む
25. 集中力が出ない
26. 不安感
27. イライラする
28. 根気が出ず仕事に影響が出る
29. のぼせ、手足の冷え、しびれ
30. 胸の痛み、圧迫感、しびれ

原因が分からない微熱や倦怠感でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。